「数年後には引退を考えている」とご相談いただいたのは、有限会社で長年地元で薬局を営まれてきたお客様。先代の税理士の先生がご高齢で引退され、当法人が新たにご相談をお受けしました。
帳簿を拝見すると、黒字経営が続いており剰余金も潤沢。今すぐに経営が厳しいという状況ではないからこそ、「誰に引き継ぐのか」という将来の備えが大切になります。
ここでは、薬局における事業承継の進め方について、ポイントをいくつかの視点からご紹介します。
薬局は他の業種と比べて、承継のタイミングを見極めるのが難しい業種です。店舗運営が安定している場合、「まだやれる」「今すぐじゃなくていい」と考えがちです。しかし、体調の変化や人材不足、薬剤師確保の難しさなど、外的要因で急に承継が必要になることもあります。
承継の準備として、まずは財務状況の整理が不可欠です。具体的には以下のようなポイントを洗い出します。
これらを整理し、「見える化」することで、承継希望者や譲渡先にとっても安心材料となります。
事業承継では、税金の問題も無視できません。特に以下の点に注意が必要です。
法人に資産が残っているからこそ、「うまく引き継がないと税負担が重くなる」ことも。事前にシミュレーションし、税理士や他士業との連携が重要です。
「今すぐ困っていない」からこそ、今のうちに準備するのが理想の事業承継です。特に薬局業界では人材や設備の継続性が重要で、譲り渡す側・引き継ぐ側双方が納得するためにも時間がかかります。
当法人では、薬局専門の知見を活かし、承継までのステップを一緒に伴走いたします。事業承継を少しでも考え始めたタイミングで、ぜひ一度ご相談ください。