薬局が成長していく過程で、多店舗展開を検討される経営者様は多くいらっしゃいます。
売上拡大や地域医療への貢献といったメリットがある一方で、見落とされがちなのが税金面での影響です。
特に注意が必要なのが「均等割」です。
本記事では、多店舗展開時に必ず押さえておきたい均等割の考え方と、実務上の注意点について解説します。
多店舗展開を行う際、法人税や消費税に目が向きがちですが、地方税である「法人住民税の均等割」も重要なポイントです。
均等割は、所得の有無にかかわらず課税される税金であり、赤字であっても支払いが発生します。
特に薬局の場合、調剤報酬改定などの影響で利益が安定しない時期もあるため、
固定的に発生する均等割の負担は経営に影響を与えることがあります。
均等割は、事業所の所在地に基づいて課される税金です。
実態を伴う店舗を経営している場合、その店舗が所在する都道府県および市区町村に対して均等割を支払う必要があります。
ここで重要なポイントは以下のとおりです。
単なる登記上の支店ではなく、実際に人が常駐し、事業活動を行っているかどうかが判断基準になります。
均等割の取り扱いで混同しやすいのが、店舗の所在地による違いです。
同じ都道府県内に支店が複数ある場合、都道府県民税の均等割については、
本店と支店が同一都道府県であれば金額は増えません。そのため、都道府県単位では負担が増えないケースもあります。
一方で、異なる市区町村に多店舗展開を行う場合は注意が必要です。
市町村民税の均等割は、店舗ごとに課税されるため、
といった場合には、その分だけ均等割の負担が増加します。
出店戦略を考える際には、立地だけでなく税金面も考慮することが重要です。
均等割の金額は、各自治体が定める税率に基づいて計算されますが、
その際に考慮される要素の一つが従業員数です。そのため、
といった管理が欠かせません。
従業員数の把握が曖昧なままだと、申告内容に誤りが生じ、後から修正や追徴が発生する可能性もあります。
事業年度の途中で新たに支店を出店した場合、均等割はその事業年度の月数に応じて按分計算されます。
この点も実務上、見落とされやすいポイントです。
均等割の月数計算においては、
というルールがあります。
出店時期によって当期の税負担が変わるため、出店スケジュールと税金の関係を事前に把握しておくことが重要です。
新橋税理士法人は、薬局専門の会計事務所として、多店舗展開を進める薬局様の税務・会計を数多くサポートしてきました。
均等割をはじめとする地方税の取り扱いや、出店計画を踏まえたシミュレーションなど、薬局業界に特化した視点でアドバイスを行っています。
多店舗展開や税金について不安や疑問がございましたら、ぜひ新橋税理士法人までお気軽にお問い合わせください。
薬局経営の成長を、専門家としてしっかりと支援いたします。
