個人薬局の確定申告を間違えたらどうする？正しい対処法と注意点を解説

個人で薬局を運営している場合、日々の業務が多忙で確定申告に誤りが生じてしまうことは珍しくなく、

誤りに気づいた段階で正しい対処を行うことが重要です。

この記事では、どのような誤りが起こりやすいのか、

間違いに気づいた際の手続きはどうすればいいかなどを分かりやすく解説します。

薬局経営で起こりやすい確定申告の誤り

 
薬局の会計は、調剤報酬や OTC 販売、在庫管理など複雑な要素が多く、申告ミスの原因になりがちです。
よくある例としては以下の通りです。

• 調剤報酬の計上漏れ・計上時期の誤り
• 仕入と在庫の処理間違い
• 家事按分の設定ミス
• 経費の重複計上

社会保険診療報酬は、入金された時点ではなく、診療（調剤）を行った時点で売上として計上する必要があります。

（以前執筆したコラムで診療報酬の月ずれについて詳しく解説しています）

また、消費税の取り扱いにおいて、保険調剤と一般医薬品（OTC）の売上区分を正しく分けられていない場合があります。

保険調剤は非課税、一般医薬品は課税取引となりますので注意が必要です。

薬局には特有の処理も多いため、専門的なチェックが必要な場面が多々あります。

誤りに気づいたときにまず確認すべきこと

 
まず、確定申告書のどの部分に誤りがあるのか、また金額の影響がどの程度かを冷静に把握します。
ポイントとしては次の通りです。
 

• 過去何年分の修正が必要か
• 誤りが税金の過少か過大か
• 誤りの原因が経理処理か計算ミスか

 
状況を整理することで、その後の手続きがスムーズになります。

確定申告期限内に誤りに気付いた場合は、改めて申告書等を作成し、確定申告期限までに提出します。

確定申告期限後に誤りに気付いた場合は、次のような手続で申告した内容を訂正します。

税金が足りなかった場合の手続き

 
税金が実際より少なく申告されていた場合は修正申告を行い、正しい税額に修正します。

修正申告は､税務署から更正を受けるまではいつでもできますが､なるべく早く申告しましょう。
また、修正申告では追加で税金を納付する必要があり、次のような付帯税が発生する場合があります。
 

• 過少申告加算税
• 無申告加算税（申告を忘れていた場合）
• 延滞税

 
ただし、自主的に早めに修正申告を行うことで、加算税が軽減されることもあります。
 

税金を払いすぎていた場合の手続き

 
誤りによって税金を払いすぎていた場合は、更正の請求を行います。
更正の請求には期限があり、原則法定申告期限から5年以内と定められています。
主な手続きの流れは次の通りです。
 

• 修正の根拠となる資料を揃える
• 更正の請求書を作成する
• 税務署に提出し、審査を待つ

 
認められると税金が還付されますので、放置せず請求することをおすすめします。
 
新橋税理士法人は薬局専門の会計事務所として、

調剤薬局・ドラッグストアの税務に特化したサポートを行っております。
確定申告の修正や日々の経理、顧問税務など、

薬局経営の会計に関するお悩みがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。