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2025/08/19 コラム

薬局経営における在庫管理の重要性

〜在庫は眠れる利益、数字でコントロールする時代へ〜

薬局を経営する上で、売上や利益に直結する大きな要素の一つが「在庫管理」です。


医薬品は種類が多く、処方元や季節要因によって動きが変わりやすい商材です。過剰在庫になれば資金繰りを圧迫し、不足すれば患者様の信頼を失います。つまり、在庫をどのようにコントロールするかは、薬局経営の健全性を左右する大きなポイントなのです。

 

在庫管理で重視すべき指標

在庫管理を数字で把握するためには、次の指標が重要になります。

1. 在庫回転率

「在庫がどれくらい効率よく動いているか」を示す指標です。
計算式は以下の通りです:

 

在庫回転率 = 売上原価 ÷ 平均在庫高

 

例えば、年間の売上原価が1億円で平均在庫が2,500万円なら、在庫回転率は「4回」となります。これは、年間で在庫が4回転している、つまり3か月ごとに入れ替わっていることを意味します。回転率が低ければ、在庫が長期間滞留していることを示し、キャッシュフロー悪化の原因となります。

2. 在庫回転期間

在庫が平均してどのくらいの期間で消化されているかを示す指標です。
計算式は以下の通りです:

 

在庫回転期間(日数)= 365日 ÷ 在庫回転率

 

上記の例で在庫回転率が「4回」であれば、在庫回転期間は「約91日」となります。つまり、仕入れた薬が3か月程度で消化されている計算になります。業種や処方傾向にもよりますが、薬局では回転期間が長くなりすぎないよう注意が必要です。

 

薬局にありがちな在庫管理の課題

  • 過剰在庫特定の薬を多く抱えすぎて資金を固定化
  • 死蔵在庫:ほとんど動かない薬が棚に残り続ける
  • 急な不足:需要を見誤り、患者様に迷惑をかける
  • 棚卸の形骸化:期末だけ在庫計上し、日常的に管理されていない

こうした課題を放置すると、利益率が低下し、資金繰りも悪化します。

 

在庫管理改善の実践ポイント

  1. 定期的な棚卸の実施
     期末だけでなく、月次・四半期ごとに在庫の棚卸を行い、帳簿と実物の差異を確認します。
  2. ABC分析による重点管理
     使用頻度の高い薬(Aランク)に注力し、動きの遅い薬(Cランク)は発注頻度を見直すなど、優先順位をつけて管理します。
  3. 在庫指標の定期モニタリング
     在庫回転率・在庫回転期間を毎期算出し、前年と比較することで改善傾向を把握します。
  4. ITシステムの活用
     調剤システムやクラウド在庫管理を活用し、リアルタイムで在庫数を把握できる体制を整えます。

 

まとめ:在庫管理は薬局経営の「資金繰り対策」

薬局の在庫は、単なる薬のストックではなく、現金が姿を変えたものです。
在庫回転率・在庫回転期間といった指標を用いて数字で管理することで、資金繰りの安定化、利益率改善、そして患者様への安定供給につながります。

当事務所では、薬局特有の在庫構造を踏まえ、財務と在庫を結び付けた管理手法の導入を支援しています。
「在庫が多すぎる」「棚卸が形骸化している」といった課題をお持ちの経営者様は、ぜひ一度ご相談ください。

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